2019年、私大入試はもっと厳しくなるって知ってた?
今回の記事では、2018年度の一般入試を振り返り、入試が厳格化された背景・理由を解説していきます。
入試が厳格化されたこれらの背景について詳しく解説するとともに、入試に向けてどうすべきなのか、現役教師目線の戦略を説明したいと思います。
なお、2019年の出願状況と、後半戦に向けた解説は下記をどうぞ。
- 2018年度の入試を振り返る
- 2019年度の入試はどうなる?どうするべき?
- 受験勉強を始める前に知っておくべきこと
- 2019年度の入試合格するための戦略
- まずは行動→やりながら試行錯誤がオススメ
2018年度の入試を振り返る
2018年度の私立大学一般入試は、まさに激戦でした。
「受かると思ったA判定の大学が落ちた。。。」 「滑り止めが決まらなかった。。。」 「補欠合格だったけど連絡がこない。。。」
このようなことが多発。これまでにない受験の年となりました。
私の学校でも、ことごとく受験で落ちてしまった生徒が何人も出てしまいました。私自身、相当責任を感じました。
なぜ、2018年度の大学入試(特に首都圏私大)はここまで厳しくなったのでしょうか?
私大に入りにくくなった理由はこちらです。
- 地方の活性化政策【入学者数が絞られた】
- 併願校を増やす生徒が増加【志願者数は増加している】
① 地方大学の活性化【入学者数が絞られた】
首都圏に集中した生徒を、地方へと分散することを狙いとした国の政策により、入学定員が厳格化している問題があります。
入学定員厳格化に至るまでの背景
やっぱり首都圏の大学ってだけで、魅力を感じる生徒が多いようでして。。。
地方にもいい大学がたくさんあるのですが、ここ数年で受験生が首都圏に集中してしまっており、地方大学の人気が下がってしまっています。
地方で就職することなんて、めったにありませんよね。 大半の学生は首都圏内で就職をおこないます。
そのため、地方の過疎化がどんどんと進んでいる問題があります。
結果、地方には人がどんどんと住み着かなくなり、今までそこで育っていた農産物が取れなくなったりするわけです。
地方の経済は、日本の経済にもつながるわけですから、首都圏さえ充実していればいいなどと考えてはいられないのです。
首都圏集中という問題を、地方分散で対策
この「地方が活気を失うこと」を抑制するために、文部科学省は大学の入学者数を絞る政策をとりました(大学が政策を守るように、厳しいペナルティを定めました)。
首都圏に集中した生徒を、地方に散らそうと考えたわけです。
これが要因となり、首都圏私大への入学者数が絞られ、倍率がぐんっと上がったのです。
※地方活性化の政策について、詳細を知りたい方は<地方創生に資する大学改革に向けて – 文部科学省>をご覧ください。
大学の規模によって「入学定員超過率」が変化
大学の規模は、小規模・中規模・大規模の3つに分けられています。それぞれの分類で、合格させられる上限人数(入学定員超過率)が違います。
(引用元:さいたま市北区宮原町の個別指導塾ウェイクアップ)
見ての通りに、2018年度の入試では、大規模・中規模の大学で合格上限倍率が下がっていることがわかります。
大規模大学を例にとりあげますと。。。
今まで定員数の1・2倍までを入学させることができたのだが、2018年度では1・1倍までに絞られました。
これはどういうことでしょうか?
定員1万人の大学で言えば、今までは1万2000人の学生を合格させることができましたが、2018年度から1万1000人までに減ったことになります。
つまり、今までであれば合格していたはずの1000人の学生が、不合格になってしまったということになります。
「入学定員超過率」以上の合格を出せばペナルティ
仮に大学側が、「入学定員超過率」より1人でも多くの生徒を入学させてしまった場合、どうなるのでしょう?
ペナルティとして、国から与えられている助成金を全額カットされてしまいます。
この助成金は、大学の運営費用の約10%にほどに値します。どの大学も、この助成金をカットされたくないわけです。
そのため、大学側は入学定員を厳格に守るようになったので、「厳しい大学入試」となってしまいました。
首都圏に集中した生徒を地方へと分散することを狙いとした国の政策により、入学定員が絞られている
② 併願校を増やす生徒が増加【志願者数は増加している】
次のグラフの太いピンクの線をご覧ください。過去5年の「一般入試志願者数」の推移です。
(引用元:旺文社 教育情報センター)
私立大学の一般入試を志願した数は、4年連続で増加しています。 志願者数が増加している理由として次の要因が考えられます。
- さまざまな入試方法が増え、併願で受験する生徒が増えた
- 他学部との併願
- 浪人を避ける傾向が強まった
さまざまな入試方法が増え、併願で受験する生徒が増えた
現在ではさまざまな入試方式が存在します。たとえば。。。
- センター利用入試
- 2教科型/3教科型入試
- 全学部統一入試
- 得意科目選択型入試
- A方式/B方式/〇〇方式
- 後期日程/3月入試
- 外部検定試験活用入試 など
それぞれの入試方式で、条件や日程などが異なります。
この「日程が違う」というのがポイントなんです。 日程が被っていなければ、受験が可能ですよね。
つまり、1つの大学を何度も受験することが可能になったということです。
他学部との併願
大学によって、他の学部と併願をして受験すると受験料が割引されることがあります。
おそらくは、大学側が運営資金を集めるために、より多くの学部を受けてもらおうと考えたためにできた制度だと思います。
以前よりも簡単に併願することができるようになったので、学部をまたがって受験する生徒が増えたわけです。
浪人を避ける傾向が強まった
浪人を避けるために、安全策として大学を多めに受験したのではないか、と考えられています。
2021年度に、入試が変わると言われ続けています。大きく変わるのは「大学入学共通テスト」ですよね。
「今まで必死に勉強してきたことが、浪人してしまったら水の泡になるかもしれない」 そう考えただけで、入試が変わる前に大学に入っておきたいと考えるようになりますよね。
受験生1人当たりの志願数(受験する大学の数)が増加しているため、受験倍率の増加に繋がっている
「大学入学共通テスト」が導入されるきっかけは、下記の記事にまとまっています。
2019年度の入試はどうなる?どうするべき?
今年度の大学入試は、どうなるのでしょう? おそらく、受験生は昨年度以上に「受験校を増やす」と思います。
結果、昨年度よりも少し難しくなると思います。
2019年度の入試に向けた準備
今年も「激戦」を避けることができないでしょう。
どうしても受かっておきたい。浪人は控えたい。という方へ。
ここからは、「激戦」に向けた対策を紹介します。
①地方の大学にも目を向ける
首都圏私大の人気は、なかなか下がらないと思います。
首都圏の大学だけの受験を考えるのではなく、地方の大学にも目を向けましょう。
自分のやりたいことができる大学は、首都圏外にだってあるはずです。
②入試方式・学部併願を利用する
志望する大学に、どのような入試方式があるのかを必ず調べておきましょう。
受験のチャンスは、多ければ多いほどいいです。
併願ができるのであれば、自分の入りたい学部以外にも目を向けるといいと思います。
③スケジューリングの徹底
いつ、どの大学の、どの入試方式で受験するか、スケジューリングしましょう。
志望大学の入試日程が被っていないかどうか、今から考えておく必要があります。
日程が重なっていなければ、何度も受験をすることができますが。。。試験を連続で受けるのであれば、3日までが限界だと思います。
連日試験を受けるのは、体力的に厳しいです。
慣れない土地で、緊張もしているでしょうから、想像以上に体力を削られますよ。
④過信をしない
過信せずに、自分の学力にあった大学を中心に受験を考えましょう。
次のように、受験する大学を偏差値で分けて考えるといいと思います。
- 超挑戦校 1 校(自分の偏差値+5以上)
- 挑戦校 1〜3校(自分の偏差値+3〜5)
- 妥当校 1〜3校(自分の偏差値±1〜2)
- 滑り止め校 2 校(自分の偏差値 −3〜5)
金銭的に、多く受験することが不可能な場合は、1校ずつにしても良いかもしれませんね。
ただし、滑り止めは2校受けておきたいですね。
滑り止めの大学に合格していれば、メンタル的なアドバンテージを得ることができ、気兼ねなく高レベルの大学に挑戦できます。
受験勉強を始める前に知っておくべきこと
「激戦」を避けることができない現代だからこそ、闇雲に勉強するのではなく、合格に向けた緻密な戦略を立てる必要があります。
とその前に、受験勉強を始める前に知っておいて欲しいことがいくつかあります。
①学校の先生や親はアテにできない【自分次第】
過激な表現をしてしまいましたが、「本番でテストを受けるのは自分であって、不合格したからと言って、学校の先生や親を責めることはできない」ということです。
受験は完全に個人プレーの実力社会になるため、自分でいかに考えて行動するか(勉強するか)が重要になってきます。
②頑張った=合格ではない
期末テスト前に何十時間も勉強したのに、数時間しか勉強していない友達に負けた。なんてことはよくある話です。
勉強した時間だけ学力が増えるというのは幻想です。実際、学力は下記のようなイメージで増加します。
学力増加量 = 勉強時間 × 理解力 × 効率
例えば理解力が低かった場合、いくら勉強しても簡単に学力は上がりません。
また、いくら勉強しても、効率が悪ければ学力は上がりません。
残酷な話かもしれませんが、これが現実です。闇雲に勉強しても学力を上げることはできますが、周りとの差は広がる一方で、受験には合格できないでしょう。
これらの現実を受け止めて、受験合格に向けた戦略を立てる必要があります。
2019年度の入試合格するための戦略
結局、受験は自分次第で、勉強方法に工夫をする必要があることがわかったと思います。
受験本番までの時間は限られているため、勉強時間の確保は当たり前として、いかに理解力を上げるか、効率を上げるかが重要になってきます。
理解力・効率を上げるためにはやはり、塾・予備校に通うのが手取り早いですね。
- 難しい問題でも易しく教えてくれる(理解力の増加)
- 分からない問題を分からないままにしないですむ(効率の増加)
- 受験合格までのカリキュラムが存在する(効率の増加)
とはいえ、予備校に通うと1年間で100万以上かかったりするため、家庭の経済状況によっては予備校通いが厳しいはず。こればっかりはしょうがないですね。
そのような方が効率よく勉強を進めるためには、次の①〜③のどれかを選ぶことになるはずです。
- 名著といわれている参考書を使う
- Z会のような通信講座で代用する
- スタディサプリの映像授業で代用する
①名著と称されている参考書を使う
無駄に文字が大きくて、余白だらけの中身のない参考書や、内容が難しすぎて受験に役立たない参考書を使って勉強するのは効率が悪いですよね。
そこで勉強の効率を上げるためにも、受験界で名著と称されている参考書を使いましょう。
②Z会のような通信講座で代用する
予備校の代わりに、Z会のような通信講座で代用するのも一つの手です。予備校に比べれば、遥かに安いため、親御さんも反対しないはずです。
本番の問題とよく当たることで有名で、予備校に通いながらもZ会を申し込んでいる学生がいるほどの人気ぶりです。
演習問題を解くだけではなく、自分の解答内容に対する添削指導(赤ペンでどこが間違いで、どう駄目なのかの指導)を受けられる手厚いサポートもついてきます。
予備校に通えない方は、Z会の通信講座を選ぶのも一つの手でしょう。まずは中身を見てから、どうすべきか考えてみましょう。
③スタディサプリの月額制の映像授業で代用する
特にオススメなのがスタディサプリです。CMでお馴染みですので、ご存知の方も多いでしょう。
スタディサプリは安いだけでなく、その映像授業のクオリティの高さから、今では23万人以上の学生が利用しています。
有名予備校から引き抜かれた有名講師陣の4万本以上の神授業を受けられるということで、勉強の効率は高いこと間違いなしです。
予備校と違って、直接先生に質問できないデメリットもありますが、予備校に通わない学生はスタディサプリで勉強すればハズレは無いかなと思います。
まずは内容を見てみてから、良いなと思ったら親御さんに相談してみてはいかがでしょうか。 今なら2週間の無料体験が実施中です。
まずは行動→やりながら試行錯誤がオススメ
何事にも共通しますが、まずは行動してみないと何も変わりません。
もちろん、勉強方法は個人個人で合う・合わないがありますから、やりながら試行錯誤して自分なりのやり方を見つけていきましょう。
著名な参考書を選んで買うのも、Z会の資料請求をしてみるのも、スタディサプリの無料体験をやってみるのも、たったの5分で出来ることです。
ぜひこの機会に、ちょっとだけ行動してみて、大学受験の合格率をググッと上げてくださいね( ・ㅂ・)و ̑̑
WRITTEN BY
りっすん@英語教師
Follow教師歴7年目🇬🇧英検1級取得🇺🇸教師が幸せになれば子供たちも幸せになるはず🌸教育現場を変えていき明るい未来を作っていきたい🗽ブログ・YouTubeで英語勉強法・教育現場について発信中📖🎥