現役教師が教える学習指導案の書き方【例・テンプレート付き】
教育現場では、いろんな場面で「学習指導案」が必要になってきますよね。
今回は、私の経験も踏まえて「学習指導案の書き方・ポイント」について紹介します!
- 学習指導案の作り方が知りたい
- テンプレートがほしい
なお、「なんか指導案がうまく書けない…」という方は、次の記事が役に立つと思います。コチラを参考にしてください ☺️
- 学習指導案の作成例と書き方のポイント!
- テンプレートはコチラから!
- 文部科学省掲載の学習指導案【参考】
- 現場で愛用されている学習指導案のオススメ参考書2選
- そもそも学習指導案とは
- 学習指導案が重要な4つの理由
- 指導案+研究授業を見てみよう【実演】
❶ 学習指導案の作成例と書き方のポイント!
学習指導案の作成例
私が、実際に研究授業で作成した指導案がコチラです。
それぞれの項目の書き方のポイント
書く必要がある項目は、次の8点です。
- 日時
- 対象学級・場所
- 生徒の実態
- 使用教材名・単元名
- 単元(授業時間数)
- 本時の目標
- 評価規準
- 指導手順
① 日時
学習指導案通りに行う「授業の日時」を書きましょう。
何時間目に実施するのかも書いてください。
② 対象学級・場所
「授業の対象学級」を書きます。
男女の比率、合計生徒数も書くのが一般的です。
また、移動教室でその対象学級のホームルームで授業をしない場合は、どの教室で授業を実施するのかも必ず明記しましょう。
③ 生徒の実態<生徒観>
対象学級に、「どのような生徒がいるのか」を書きます。
また、「① 授業中の雰囲気」「② 授業に取り組む姿勢・様子」などを客観的に書きます。
④ 使用教材名・単元名<教材観>
授業に使用する教材名を書きます。
その教材の中で、「どの単元を指導するのか(単元名)」を明記することも大切です。ただし、教科によって教材名を示す必要がない場合があります。
また、生徒の実態を踏まえた上で、この教材を選びましたという教材の選定理由(教材観)を記載すると、なお良いでしょう。
⑤ 単元(授業時間数)
単元全体の指導計画を立てます。
英語で言えば、4つのパートで構成されているレッスン1つ分をどのように指導するかを明記します。
研究授業でどの時間を指導するのかがわかるよう、その単元に隣に「(本時)」と記載しましょう。
⑥ 本時の目標<指導観>
その授業で「何をゴールとするのか」を考え、指導目標を設定しましょう。
授業の手順を作成するにあたって、この目標設定が一番大切です。何を生徒に定着させるのかが明確にわかっていなければ、授業を組み立てることができませんからね。
時間をかけていいので、じっくりと考えて目標設定をしてください。
⑦ 評価規準
生徒が授業に対して「どのような態度で臨んでいれば目標が達成できた」と判断をするのか、その規準を簡単に書きましょう。
評価規準は、どの科目でもだいたい4つの観点があります。
文部科学省のホームページに掲載されている学習指導要領や年間指導計画表を参考にして、評価規準を作成しましょう。
⑧ 指導手順
「授業をどのような手順で展開するのか」
「授業内での活動を何のためにするか」
これらを具体的に書きます。
授業展開を3部構成で考えるといいかもです。イメージはこんな感じ。
- 第1部 (導入):ウォームアップ・前回の復習・発問(前菜)
- 第2部 (本論):内容理解・定着活動(メインディッシュ)
- 第3部 (結論):まとめ・復習(デザート)
私は「授業はフルコース」だと思っています。どのように楽しませるか。消化不良を起こさせないために、どこでどのようなアプローチをするのかを細かく考えて指導手順に載せることを常に意識しています。
❷ テンプレートはコチラから!
「① 日本語指導案のテンプレート」「② 英語指導案のテンプレート」を用意してあります。用途に応じて、ぜひ活用してください。
今回のテンプレート通りに作成すれば、必要最低限のことはおさえることができるはずです!新任の先生や教育実習生の方は、特に参考になるかと思います。
指導案の形式は自由ですので、テンプレートをもとに各自で書きやすいものに作り込んでいってくださいね 😄
❸ 文部科学省掲載の学習指導案【参考】
文部科学省のホームページに、学習指導案が一部掲載されています。とても参考になりますので、目を通すと良いと思います。
もっとたくさんの指導案を見たいという方も多いは、コチラの記事を参考にしてください。きっと役に立つと思います。
❹ 現場で愛用されている学習指導案のオススメ参考書2選
① 学習指導案と分かる授業のつくり方:プロ教師になる!
情報量がてんこ盛りの参考書です。
小学校1年生から中学校3年生までの、各単元ごとに学習指導案の実例が記載されてます。もちろん、高校生を相手にする方でも参考になると思います。
学習指導案の書き方について丁寧に解説しているだけでなく、どうやったら分かりやすい授業になるかについても併せて解説しているため、特に教育実習生は買うべき1冊です!
② アクティブラーニング対応 授業改善のための学習指導案
アクティブラーニングについて触れながら、学習指導案について解説しています。
タイトル通り、自分の授業を見つめ直す(改善する)ことができる内容になっており、買っておいて損はない1冊です。
❺ そもそも学習指導案とは
今更ですが、学習指導案の役割ってなんだと思いますか?
私が思うに、学習指導案は…
① 授業を進めるための設計図
② ビギナー教師にとっての羅針盤
③ 授業力アップのための必需品
こんな存在だと考えています。
授業の展開を細かく記載・・・それが学習指導案!
学習指導案とは、授業を構想する際の設計図!
50分の授業で…
- 何をするのか
- どの手順で実施するのか
- 活動にどれくらいの時間をかけるのか
- 何のためにするのか
などを具体的に考えて作成します。
完成された学習指導案には、事細かに授業計画が記されるので、授業を行う際の進行表となるというわけです。
❻ 学習指導案が重要な4つの理由
指導案を書くのに、良いことなんてあるのでしょうか?答えはズバリ、4つあります!
- 頭の中を綺麗に整理できる → 授業進行がスムーズ!
- 教材内容を深く理解できる → 授業の質が向上!
- 一貫した授業展開ができる → 脱・行き当たりばったり授業!
- 生徒について考えることができる → 信頼関係の構築!
① 頭の中を整理できる → 授業進行がスムーズ!
指導案を書くということは、つまり頭の中で思い描いている抽象的な授業プランを具体化するということです。
授業の細部まで頭の中でシミュレーションをし、時には生徒がしてくるであろう質問・発言までをも予想をします。指導案を作成すれば、ある程度自分が思い描いている授業展開ができます。その結果、授業が格段とスムーズになるというわけです。
また、授業内容が逸れてしまった後も、指導案があればすぐに軌道修正することが可能です。それゆえに、ビギナー教員にとっては「羅針盤」的存在だと言えます。
② 教材内容を深く理解できる → 授業の質が向上!
その単元で、生徒側に何を重点的に身につけさせたいかを考えるのが指導案のポイントです。
授業で知識を身につけさせるために、こちらも様々な角度から一生懸命教材研究をします。教材研究が終わる頃には、その単元に関する豆知識で頭の中がいっぱいになります。
また、生徒のあらゆる質問にも対応できるよう、様々な知識まで調べることは欠かせません。そこまで準備をすれば、自ずと授業がより濃いものになるでしょう。
③ 一貫した授業展開ができる → 脱・行き当たりばったり授業!
指導案を作成するためには、「どの時間で何を教えるのか」といった、先を見通した計画を立てる必要があります。
なので指導案を作成すれば、「今日は何を教えようかな?」という迷いがなくなります。これが一貫した授業展開をもたらすことになるのです。
授業の一貫性は超重要です。
授業をただこなすだけでは「点」が「点」で終わってします。授業を通して「点」と「点」を結んで「線」にしてあげなければいけません。生徒の頭の中に入っているバラバラな知識を、ぎゅっとまとめてあげることが大切なのです。
前回の授業と関係のない話を教えても、生徒の頭の中には残りづらいですよね。指導案作成は、授業に一貫性を持たせるための重要な役割を果たしてくれます。
④ 生徒について考えることができる → 信頼関係の構築!
授業進行を作成する際に、生徒の個々の能力を考えることは必要不可欠。
授業についていけない生徒がいるのに、その子を無視して高レベルな授業を展開しようとすれば、生徒の心は離れていきますよ。
授業を通して「私はあなたのこともちゃんと見てますよ」という安心感をあげられると、生徒の心をグッと掴むことができます。
また、「この質問はあの子に答えてもらおう」「あいつなら答えられそうだな」と、勝手に頭で考えたりしますよね。それだけで、もう「生徒理解」なのです。
まとめ
指導案の作成はいいことだらけです!
時間が多く取られてしまい、面倒だと感じるかもしれませんが、私の経験からすると、指導案の作成は「最高の授業」を展開するために必要不可欠な作業です。
研究授業や公開授業以外でも、ぜひ作成していきましょう!
❼ 指導案+研究授業を見てみよう【実演】
実際の授業見てみましょう。
学習指導案が作り込まれている場合、その授業でどうしたいか(授業の目的)がしっかりしているため、授業進行がとてもスムーズです。
藤塚先生の授業の指導案はコチラから見ることができます。ぜひ、指導案を読みながら授業をチェックしてみてください 😄
WRITTEN BY
りっすん@英語教師
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