【教員採用試験】不合格のその後を考える【メリットもあります】
そろそろ教員採用試験(教採)の結果が公表される時期となりました。
私も教採を受けたとき、9〜10月あたりにドキドキしながら待っていた記憶があります。
「不合格だったらどうしよう…」
「教員は諦めたくないなぁ…」
多くの人がこんな風に悩んでいると思います。
残念ながら、教採を突破できる人数は一握りです。やはり合格するのは簡単ではありません。
では、不合格だった場合どうするべきでしょうか?
そのような方のために、今回は「教採不合格のその後」について記事を書きたいと思います。
- まずは不合格の理由を考えよう
- その後の選択肢を考えよう
- 教採不合格のメリットとは
まずは不合格の理由を考えよう
「教師に向いてないのかなぁ…」
「教師をあきらめようかなぁ..」
ぶっちゃけ、教採に落ちたからって教員をあきらめるのは早すぎます。
そんなことを考える前に、次の教採につなげるために不合格だった理由を考えてください。
考えられる理由としては、次のことが挙げられます。
- 勉強量がたりない
- 面接・模擬授業対策がたりない
- 努力がたりない
- 運がなかった
①勉強量がたりない
だいたいは勉強量がたりずに、筆記試験で落ちてしまう場合がほとんどです。
「教職教養」「専門教養」「一般教養」多い方は3種類の対策をしないといけません。
自分なりにしっかりと勉強はできたと思いますか?勉強量がたりていない、と思っている方もいるのではないでしょうか。
各分野での出題範囲は広いですし、専門性が高いので、全てを完璧に対策するには時間がかかってしまいます。
②面接・模擬授業対策がたりない
「面接練習」「模擬授業」に時間を割きましたか?
意外に手を抜く人が多い分野です。
今現在あなたが大学生でしたら、大学教授やキャリアセンターの職員など、授業のプロ・面接のプロにお願いをして指導を受けるべきです。
教採を受けた人の中には、「現校長」「現教頭」の方から指導を受けている者もいますよ。
③努力がたりない
「筆記試験」「面接試験」「模擬授業」
それぞれの試験に対して、100%の準備をして臨むことができましたか?
頑張っている人は、毎日欠かさず勉強をしていますし、面接指導もいろんな人に見てもらう努力をしています。
もしかしたら、どこか力を抜いてしまった部分があったのではないでしょうか?自分の胸に聞いてみましょう。
④運がなかった
これはやるせないですが、どんなに準備して臨んでも、運が悪く合格を手にできない方もいます。
- そもそも募集がない
- 倍率が高すぎる
- あと一歩届かず
合格ラインギリギリで他の受験生と競合した場合、「教員歴」「資格」「ボランティア経験」など、さまざまな観点が考慮され合否が決まります。
もしかしたら、自分もボーダーラインで落とされた受験者の1人かもしれません。
教員採用試験には、時に運も味方にしなければならない場合があるわけです。
その後の選択肢を考えよう
教員採用試験に惜しくも落ちてしまった場合、その後は次のような道に進んでいきます。
- 講師として働く
- 私立学校で働く
- 大学院へ進学する
- 就職活動を始める
① 講師として働く
だいたいの人が「講師」として働く道に進みます。
現場でしか学べないこともたくさんあります。早めに教員の経験を積んでいきたいという方はオススメです。
なお、講師には 「臨時的任用講師 (臨任講師)」 と 「非常勤講師」の2種類があります。
「臨時的任用講師」と「非常勤講師」の違い
違いは次の通りです。
臨任講師 | 非常勤講師 | |
---|---|---|
勤務体系 | 常勤 | 非常勤 |
授業 | ◯ | ◯ |
担任 | ◯ | × |
部活顧問 | ◯ | × |
*校務分掌 | ◯ | × |
ボーナス | ◯ | × |
兼業 | × | ◯ |
「臨任講師」は、ほぼ正規教員と同じ仕事をこなします。
「非常勤」の場合、授業だけを担当するので、その他の空き時間では学校の仕事に携わることはありません。
校務分掌については、こちらで詳述しています。
講師になるには?
自治体の教採を受けた際、講師登録の打診があったかと思います。
なければ、各自治体のホームページに「講師登録」について詳細が掲載されているので確認しましょう。
講師登録をしておけば、2月〜3月あたりに学校側から連絡がきます。
連絡がくれば、はれて講師として学校で働くことができますが、必ずしも連絡がくるとは限りませんので注意してください。
② 私立学校で働く
公立学校だけではなく、私立学校で働くという選択肢もあります。
私立学校は採用試験が独自で行われる(公立と異なる)ので、試験対策をしなおす必要があります。
学校のことをよく知り、合格したらその学校の一員として働くという強い覚悟がなければ、合格するのは難しいと思います。
③ 大学院へ進学する
自分の専門性を高めるために、大学院へ進学する人も少なくはありません。
「専門性を高める大学院」では、自分が専門分野をより深く学ぶことができます。高校で勤めたいと考えている人は、授業の際に活きるでしょう。
「教職に関する大学院」では、教員として必要な力・知識を学ぶことができます。教採の1次試験対策のためよりかは、一人前の教師として活躍するために通うべきだと思います。
④ 就職活動を始める
就職活動をして、一般企業に就職する選択もあります。中には、教育関係の企業に勤める人もいるでしょう。
「就職したけど、やっぱり教師を諦められない」という方は、一般企業で働きながら教採にチャレンジすることはできますので、安心してください。
簡単なことではありませんが、一般企業から教師になっている方もいます。
また、塾や予備校で働くのも1つの手です。学校現場とは少し違う環境ですが、教えることに携わっていきたいという方はオススメです。
教採不合格のメリットとは
できれば合格したかったというのが本音でしょうが、不合格でないと得られないメリットがあります。
- 海外経験を積める
- 社会人経験を積める
- 勉学に励める
- さまざまな学校を知れる
①海外経験を積める
ひとたび教員になれば、海外に行くチャンスはめっきり減ってしまいます。
ですので、教員として働き始める前に、海外経験をたくさん積むのをオススメします。
海外に行ってみると自分の価値観を広げられますし、素晴らしい経験はお金に変えられない価値があります。
将来、教壇に立つときにその経験が絶対活きるので、少しでも迷っていたら行くべきです!
実際、私は学生時代にアメリカ留学、教員になってからイギリス旅行に行きましたが、その経験は今でもに大いに役立ってます。
「留学」「世界一周」「ワーホリ」のチャンス!
私の場合、運良く教採を一発で合格できました。
ですが、大学を卒業した瞬間から、学校でずっと働きっぱなしです。
夏休みにも部活の指導があり、なかなか長期間の休みを取ることは難しいです。
「教員になる前に世界一周しよう」
「ワーキングホリデーをしてみよう」
なんて思っていましたが、今やこれらは叶わぬ夢です…
②社会人経験を積める
教員の仕事は独特なものです。
よく 「世間の常識=教員界では非常識」なんて言われます。
私は社会人の経験がないので、何とも言えないのですが…
社会人としての経験も、少しは積んでおけばよかったなぁ なんて今では思います。
教員の1日はこちらで紹介している通りです。教員の仕事はどんなものなのか、一度目を通してみてください。
③ 勉学に励める
「海外経験を積む」「社会人経験を積む」ことに似ていますが…
自分のための勉強に時間を注げるチャンスです!
働き始めたら、なかなか自分の勉強時間をとることができません。(特に1~2年目は仕事に追われるので、身を粉にする思いで毎日を過ごすと思います…)
もし、自分の専門性をもっと深めたいという思いがあれば、大学院や専門学校などに通うことを考えてみてください。
④ さまざまな学校を知れる
講師なら、短時間でさまざまな学校に勤務することが可能です。
というのも、正規教師は「1校に最低3年」は勤務しなければいけません。(都道府県にもよりますが)
ですが講師の場合、1年で学校を移動することができます。
移動が多くなることはデメリットですが、その分早いサイクルでさまざまな現場を知ることができます。
それぞれの学校に特色がある
ひとえに学校といっても、その学校が持つ色は全く異なります!
- 進学校 (高偏差値)
- 教育困難校 (低偏差値)
- 部活に力を入れている学校
- 行事に力を入れている学校
- 中・高一貫校
- 異校種(小学・中学・高校) など
それぞれの学校で、特色が違えば運営方法も異なります。
その違いを知れる機会が多くなるのは、教員としての経験値をあげてくれます。
まとめ
教員採用試験は、確かに合格することに越したことはありません。
ですが、教師として5~6年働いてみて
「あと30年間くらい同じことを繰り返すのか…」
「あのとき、もっとやりたいことをすればよかった…」
って最近強く思います。
現場で働き始めると、いろんな責任・しがらみから、職場を離れづらくなっていきます。
でも、1度しかない人生なんだから、後悔なく生きてみたいと思いませんか?
今回の不合格は非常に残念ですが、逆に「自分の人生を豊かにできるチャンス」だと思ってほしいです。
そして、いろんな経験を積んだのちに、再度教員を目指しても遅くはないと思っています。
これから教採の対策に取りかかるという方は、まずはこちらの記事をご覧ください。
WRITTEN BY
りっすん@英語教師
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