生徒の心を掴む授業の組み立て方【フルコース料理だと思うべし】
「どうやって授業を展開しよう…」
「授業を組み立てるとき、何が大切なのかな…」
「授業がうまくまとまらない…」
こんな疑問にお答えします。
授業をしっかりと考えて作ろうとすると、手が止まったりしませんか?
新任教師だった頃は私も、「どう授業を展開しよう?」と悩んでしまい、書く手が止まることが多々ありました。
そんなときは、少し考え方を変えてみましょう。
今回は、授業の組み立て方に悩んている人向けに記事をまとめました。日頃の授業でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
- 授業はフルコース料理
- 料理に不可欠なエッセンス
- 料理を楽しんでもらうための一工夫
- 最後に
授業はフルコース料理
授業を考えるとき、「どうやって授業に入るか」「教えたいことをどう教え込むか」「どうまとめるか」など、いろいろと考えますよね。
これは、まさにフルコース料理と同じです。
「導入」→「本論」→「結論」という流れは、まさに授業展開の王道パターンです。
この流れは、フルコース料理と全く同じですよね。
①【導入】・・・前菜
メインディッシュを楽しむために、下準備を行います。
生徒たちは、休み時間で友達と楽しく過ごしたり、おのおの好きな時間を過ごしてリラックします。
そんなリラックスした生徒たちを、授業モードに切り替えさせることが必要です。徐々に授業へと引き込むような工夫を心がけましょう。この段階で、「今日のメインは何だろう!?」と生徒に期待させることができたら完璧です。
「メインディッシュ」から授業を始めても、生徒たちは授業モードに切り替わっていないため、効果的ではありません(興味をもってくれません)。
②【本論】・・・メインディッシュ
前菜の後に今日のメインディッシュを紹介し、美味しく味合わせることが大切です。
ただ食べるのではなく、食材の産地、料理の歴史、味付け方法など、さまざまな背景知識を教えてあげると、生徒はもっと美味しく味わうことができるかもしれません。
授業でも、大切な項目を教えるだけではなく、豆知識も一緒に教えてあげると「そうなんだ!」と 興味を持ってくれることがありますよね。
まさに、ここが授業で一番大切なパートだと言えます。
③【結論】・・・デザート
食事に行った際、「締めのデザートが物足りないなぁ」と思ったことはありませんか?
授業ではそれで OK なんです。理由はこちら。
- デザートがメインディッシュになってはいけない
- 「もうちょっと食べたい」が次の食欲へとつながる
最後の締めが盛大すぎると、生徒の頭に残るのは最後のパートだけになってしまいます。あくまでも、デザートはサイドメニューです。
デザートを食べながら「今日のメインディッシュは最高だったね」と生徒に今日の授業を思い出させることが大切です(=授業の復習)。
また、デザートは少し物足りないくらいにしておき、「早く次の料理も食べたいなぁ!」と思わせることも大切です。それが、次の授業への動機付けになります。
料理に不可欠なエッセンス
料理(授業)を作る際に大切なことです。
- 食材選びにこだわる【教材・題材選び】
- メニューを考える【授業の流れ】
① 食材選びにこだわる【教材・題材選び】
先ほどの2つのうち、圧倒的に大事なものは ① 食材選びにこだわることです。
食材が美味しくなければ、しっかりと味わうことができません。生徒はその料理を食べることすらできないかもしれません。
授業も全く同じです。
内容のない授業・面白くない授業・生徒に合っていない授業では、生徒はついてきません。興味も失ってしまいます。
「こういうのが好きだよな」「これなら食べられるな」と考えながら、生徒に合った食材を選びましょう。
② メニューを考える【授業の流れ】
選んだ食材で作った料理を、「どのように食べてもらうか」順番を考えることが重要です。
当然ですが、フルコース料理では、料理の出る順番がメニューに載っていますよね。
「前菜から食べてもらうのか」「どれくらいの時間をかけるのか」など、料理を引き立たせるための順番・時間などを考えましょう。
あえてメインディッシュから食べてもらうのもありですが、その場合は明確な狙いを持っておきましょう。何の狙いもなしでは、行き当たりばったりの授業になってしまいます。
また、準備している料理を出すタイミングも重要です。
1つ目の料理を食べ終えてないのに、すぐ次の料理を出してしまっては、生徒は味わって食べることができません。
授業でも、1つ目の問題が解き終わってないのに、次の問題にポンポンと進められてしまっては理解が追いつかなくなってしまいます。よって消化不良を起こし、つまずきます。
そうならないために、あらかじめメニューを考えておきましょう。学習指導案を作って授業に臨めば、失敗しなくて済むと思いますよ。
料理を楽しんでもらうための一工夫
完成した料理に一工夫を加えてみましょう。
料理を「目」で楽しんでもらう
視覚的な効果は絶大です。料理でも授業でも、目で楽しませることを忘れてはいけません。
- 黒板に写真を貼る(A3 & カラーがベスト)
- プロジェクターを使う(短焦点)
- パワーポイントを使う
- 関連動画/映画を見る
- スマートフォンを活用する など
私は、現在プロジェクターを使って授業をしています。
プロジェクターは安いものもありますが、基本的に短焦点型ではありません。短焦点型のプロジェクターは、高価ですが近距離で映像を黒板に投影できるという利点があります。
狭い教室でも綺麗に投影できるプロジェクター
「BenQ DLP プロジェクター 短焦点モデル」
黒板やホワイトボードで使える万能型スクリーン
「マグネットスクリーン」
スマホに慣れている今の子どもたちには、黒板の板書よりもプロジェクターで投影したパワーポイントなどの綺麗な文字やイラスト・写真の方が頭に入りやすいはずです。
最近では、私は授業を全てiPadで済ませています。詳細はこちらです。
さまざまな前菜
授業への入り方はさまざまあります。
- 前回の授業の復習
- 本論に関係した話
- 自分の過去の体験
- 笑い話/ジョーク
- 学校行事の話
- 生徒との雑談
- 最近話題のニュース など
もちろん、これらを組み合わせも OK です。
1つの方法にこだわらず、いろんな手法を使って生徒を楽しませましょう。
メインディッシュは1つで OK
メインディッシュは1つ(多くても2つまで)にしたほうがいいと思います。
教えたいことがたくさんありすぎると、生徒は消化不良を起こしてしまいますからです。「授業で何が大切だったのかわからない」という現象が起きるのは、このためです。
たくさんの料理を考えるのではなく、1つの料理を存分に楽しんでもらうための工夫を考えましょう。
嫌いな食材を食べさせるのもアリ
生徒に、嫌いな食材を食べさせることも教員の仕事です。そんなとき、無理やり食べさせてはその料理をもっと嫌いになってしまいます。
皆さんは、子供に嫌いな食べ物を食べさせるとき、どうしますか?
好きな食材に混ぜたり、その食材の形が見えないように料理に混ぜたりしますよね。「おだてる」「褒める」のもすごく効果的です。
苦手な分野を好きにさせるには、「知らないうちに食べられるようになっている」ことがベストだと思います。
子供に嫌いな食べ物を食べさせるつもりで、授業を工夫してみましょう。
最高なレシピを見つける
作ったことのない料理を作るとき、私は必ずクックパッドを使っています。授業を作るときも、クックパッドのようにレシピを検索できれば便利ですよね。
そんなときは、学習指導案が掲載されているデータベースを参考にしましょう。下記の記事では、授業に必要な最高なレシピ(学習指導案)をまとめたサイトを5つ掲載しています。
各サイトで、クオリティーの高いレシピがまとまっています。ぜひ参考にしてください。
最後に
全員から「楽しかった!」と言ってもらえる授業はありません。どんなに最高な出来だと思っても、ある生徒にとっては「あまり楽しめない」授業であることがあります。
しかし、それは仕方ないことでして、1クラスに 40 人もいれば好みだって人それぞれです。
完璧を求めすぎると手が止まってしまいます。「全員を楽しませよう!」と意気込むのではなく、「1人でも多くの生徒に楽しんでもらおう」くらいのつもりで臨んでください。
WRITTEN BY
りっすん@英語教師
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